中国におけるトップクラスの投資家としては「ニール・シェン」が知られています。
約4.2億ドルを持つとされるニール・シェンのキャリアは大学卒業から金融業界に一貫して統一されており、銀行家、起業家、投資家という順でステップしています。
中国人のニールシェン凄い
— anmitsdoki (@aki12toma) November 8, 2019
孫正義は1人頑張ってる
セコイアに日本拠点は無い(笑
セコイアキャピタル・チャイナが設立後14年間に、出資した企業の中、すでに上場になった企業の時価総額、合わせて6200億ドル(約68兆8820億円、2019年2月の時点で)、日本企業時価総額ランキング上位6社の総額と同じ。 pic.twitter.com/DIhs1nuQMb
また、彼は誰よりも市場のトレンドをはやくキャッチする力を持つことでも知られています。そんなニール・シェンが成功した秘訣や、彼の人生哲学についても紹介していきます。
目次
ニール・シェンの生い立ち
ニール・シェンとヒューゴ・ションの記事を読む時間がない方でも、こちらの比較図を確認することで、ある程度両者に対する理解を深めることができると思うので、こちらにも貼らせていただきます!個人的には@IDGCapitalがニールに出資をした時から中国のVC史が本格的にスタートを切った気がします! pic.twitter.com/3o15XgVhA3
— Hideo Natsume (@HideoNw) March 13, 2021
中国の投資家であるニール・シェンは「モンスター級の投資家」「天才」と称賛されることも少なくありません。
彼は世界の著名なエンジェル投資家のトップに君臨しており、世界的にも著名な投資家です。また、ニール・シェンはアメリカの投資ファンドであるセコイア・キャピタルを母体とするセコイア・キャピタル・チャイナの設立メンバーの一人という肩書をもっています。
ニール・シェンは学生時代から優秀で、アメリカの名門大学における留学経験をもちます。
上海交通大学卒業後、アメリカに留学します。コロンビア大学で数学を学んだ後、イェール大学に進学して1992年に修士号を取得しました。
大学を卒業した1992年、アメリカのシティバンクに就職しました。しかし、1994年には中国に戻り、リーマンブラザーズに入社し、投資銀行プロジェクトを担当します。
ニール・シェンの活躍は素晴らしいもので、香港に所在するドイツ銀行の取締役を務めた後、Ctripを設立しました。2002年には、Home Innsホテルチェーンを設立します。
ニール・シェンの設立した企業は設立から間もなくして上場しています。2003年と2004年にはE-HouseChinaとChinaFocusMediaのエンジェル投資家兼取締役を勤めました。
ニールは投資家としてeコマースの拼多多、TikTokの親会社であるバイトダンスなどに出資してきました。そして、フォーブスによる世界の投資家ランキング「ミダス・リスト」において、2018年から2020年にわたって1位に輝きました。
ニール・シェンが投資で成功した秘訣
先日投稿した記事を読む時間がない方でも、人物関係図を見ればある程度ニール・シェンについての理解を深められると思うので、こちらに人物関係図と記事の中で登場する円卓の写真貼っておきますー!ぜひ参考にしていただけると幸いです!#sequoiachina #neilshen @sequoia pic.twitter.com/nwjFrvDkkr
— Hideo Natsume (@HideoNw) February 21, 2021
学生時代から優秀で、アメリカの名門大学への留学経験をもつニール・シェンですが、大学卒業後は銀行家としても起業家としても高い成果をあげています。そして、近年では中国におけるトップクラスの投資家としても知られています。
ニール・シェンが世界的投資家として成功した秘訣はどこにあるでしょうか。以下、ニールから学べる成功の秘訣を5つ紹介していきます。
自国を愛する気持ち
ニール・シェンは上海交通大学を卒業後、アメリカの名門大学に留学しました。大学卒業後、アメリカのシティバンクに就職しましたが、わずか数年で中国に戻る決心をします。
ニール・シェンは留学中も「中国のために何かしたい」「自分は中国人である」「中国に関わる何かをしたい」という思いを抱えていたといいます。海外に身をおきながらも、自国に心を寄せ、目を逸らさなかったからこそ、中国において投資で成功するチャンスを掴むことができたといえるでしょう。
他国の成功モデルを自国の成長にあてはめて考える
中国に戻ったばかりのニール・シェンには経済力があまりなく、起業するには難しい状況でした。しかし、ニールはアメリカの成功モデルから着想を得ます。
1990年後半から2000年にかけて、ニールは看板広告が大企業からインターネット企業に代わっていることにフリーウェイ101で気づきます。
この時、ニール・シェンは「アメリカにおいて暮らしやビジネスにインターネットが普及するなら、中国でも同じことが起こる」と予想しました。この時の着想がインターネット起業において第一波を起こすことになります。
自分の決断したことに対してがむしゃらに頑張る
多数のメディアから取材を受けるニール・シェンの姿には落ち着きが感じられます。しかし、起業当初の彼は、他のことを考える余裕は全くないくらいに昼夜働き詰めだったといいます。
彼は「自分のビジネスを成功させるためには、他の道も残ってるという考えは甘い」とも語っています。
起業を決めたら即行動
ニール・シェンはドイツ銀行を辞める際、ボスから「4ヵ月後には中国財務省がユーロ公債をローチンするだろう。それを見届けてから辞めてはどうか?」と助言を受けました。
2000年春にユーロが公債されることはなく、実現されたのは2003年になってからでした。ニールはユーロ公債まで待っていたらユーロ下落の影響などを受けて、Ctripを誕生させることはできなかったかもしれません。
ニール・シェンは自身の経験から心の声に従って動く事の重要性や、起業は即決が重要であると述べています。
誰よりもはやく市場のトレンドをキャッチする
「石を金に変える「中国のミダース」」と称賛されるニール・シェン。彼は中国における大企業の多くに出資しています。
ニール・シェンの投資での成功体験はすさまじいものですが、成功のコツは主要トレンドをおさえることにあるといいます。
時代におけるトレンドを誰よりもはやく、正確にキャッチすることが成功の秘訣です。そして、掴んだトレンドに多く投資することで、高いリターンを得られるといいます。ニールが成功したEコマースO2Oへの投資もこのやり方に基づいています。
ニール・シェンの人生哲学
2020年4月、新型コロナウイルス感染拡大が懸念される中、ニール・シェンとブラックストーン・グループの創業者兼CEOであるスティーブ・シュワルツマンがライブ配信を行いました。
彼らはコロナ禍における変化を懸念しつつも、若者たちに対して「心底好きなことをすれば、成功は近づいてくるでしょう」とアドバイスを贈りました。世界経済に大きな影響力を持つ二人による楽観的ともいえるアドバイスは、多くの若者にとって記憶に残るはずです。
本記事で紹介してきたように、ニール・シェンの成功は自分の直感や、やりたいことを突き詰めた結果です。
「中国のためになにかしたい」という思いを抱いてアメリカから帰国したことや、起業を決断した後のスピーディーな行動は彼の成功の鍵といえます。自分を信じ、自分の好きなように行動すれば、成功は近付いてくるといえるのかもしれません。
アメリカにおける留学経験をもつニール・シェンですが、彼の関心は自国中国へと常に向いていました。
ニールの成功の秘訣はアメリカの成長モデルを参考にしつつ、誰よりもはやくトレンドをキャッチするところにあります。また、彼の行動力や決断力のはやさも成功と秘訣といえるでしょう。
ニール・シェンはベンチャー企業の将来性のみならず、社会全体を見渡す力をもっており、彼の見解は私たちが将来を考えるにあたって重要なヒントにもなっています。