
2021年12月、メタバース上の土地が約5億円で取引されたとメディアが報じました。
メタバースは投資の対象としても注目を集めています。
- メタバースで不動産投資ってできるの?
- 実際にメタバース不動産投資をするにはどうすればいいの?
メタバースの不動産販売は2021年に5億ドルに達し、2022年には10億ドルに達すると予想されている⚡️
— Mr.₿itcoin (@coinspace_) February 13, 2022
サマーウォーズの世界観が
現実のものとなるだろう🙌 pic.twitter.com/3Zwf3O190t
今回はメタバース不動産ではどのようなことができるのか、実際にメタバース不動産投資をするにはどうすればよいのかを解説します。
この記事を読んでわかるポイントは以下の通りです。
- メタバースにおいても現実世界と同様の不動産投資が可能
- メタバース不動産(土地・建物)も売買・貸借することができる
- メタバース不動産の実際の購入方法
- 土地購入におすすめのメタバース
目次
メタバース不動産とは?
メタバースとは、インターネット上に構築された、現実空間とは異なる3D仮想世界やそのサービスのことを指します。
今やセミナーもメタバースで参加!先日、不動産セミナーにアバターで参加しました! pic.twitter.com/s0QwLRNHjX
— 相馬剛/アズ企画設計 取締役/KWAZエージェント (@shisanbaizo) February 13, 2022
仮想空間内では、人々は自らの分身となる「アバター」を使用して集まり、交流や経済活動を行うことができます。アバターを操作することで、仮想空間内を自由に移動したり、世界中の人々とコミュニケーションを取ったり、ライブなどのコンテンツを楽しんだりすることができるのです。
このメタバース内では今、都市開発が行われています。
更地部分もまだ多くありますが、商業施設やイベント会場などが建設されており、今後は現実世界と同じように人々が交流・経済活動をおこなう場となっていくことが予想されます。
例えば、以下のようなことが可能です。
- お店で商品の実物を手に取り、店員さんと話しながら商品を購入する
- イベント会場を利用してバーチャルライブを行う・参加する
- 旅行気分でさまざまな仮想世界を探索する
- 仮想世界上で居合わせた人とおしゃべりをする
- ホワイトボードで議事録を取りながらミーティングをおこなう
メタバース不動産と現実世界の不動産との比較
メタバースの世界においても、不動産という概念が存在します。
そして近い将来、メタバース不動産NFTが現実世界の不動産と同じような価値を持つようになるということがいわれています。
では、メタバース不動産は、現実世界の不動産と比較した時にどのような共通点や相違点があるのでしょうか。メタバースの不動産とリアルの不動産とは、違うように見えて基本的には似ています。
まず一つ目の共通点として、同一性と所有権が担保されるという点が挙げられます。メタバース内では、土地や建物を自由に形成することができますが、これはあくまでもデジタルデータに過ぎません。そのため、容易にコピーすることができてしまうのが問題です。
そこでカギとなるのがNFT(Non-Fungible Token・非代替性トークン)と呼ばれる技術です。メタバースの不動産は、実質的にNFT化されて記録されることで、同一性や所有者情報が厳格に担保されます。
また、二つ目の共通点として、メタバース内の土地も現実世界の土地と同様に有限であるということが挙げられます。ザ・サンドボックスでは、土地(LAND)の上限は166,464区画までとされています。同じ土地が存在せず、上限の供給量が定められているため、希少性が高まります。
さらに、三つ目の共通点として土地の活用方法があります。
メタバースでは、土地を売買したり貸借できるほか、自身が所有する土地に建物を建て、その建物を活用したり、貸出して利益を得ることが可能です。また、その建物を売却することもできる点も、メタバースと現実世界とでほとんど相違はありません。
一方、相違点としては、経済的価値が担保されるわけではない、という点が挙げられます。
NFTによって同一性と所有者情報は担保されますが、メタバース内に人が集まらず価値が見出されなかった場合などには、その不動産に価値が見出せなくなってしまう恐れがあります。
これは現実世界の不動産にもいえることではありますが、先が見通しづらく、法的整備もまだ万全でないメタバース不動産においては、特に注意が必要となるでしょう。
なぜ今メタバース不動産が注目を浴びているのか
メタバースが今注目を集めている背景には、ブロックチェーン技術の発展が大きく貢献しているといえます。メタバース・NFTには、ブロックチェーンの技術が導入されています。
ブロックチェーンにより、改ざんリスクの低さとセキュリティ性の高さが実現されました。これにより、メタバースが新たな経済圏として成立し、ビジネス市場として捉えられるようになりました。
旧Facebookが2021年10月に社名をMetaに変えるなど、今後のメタバースに対する期待は高まっています。さらに、マイクロソフトやソニーグループ、中国のテンセントなども、メタバース事業への参入を明らかにしています。
メタバースの市場規模に関して、Bloomberg(ブルームバーグ)は2021年12月の記事において、2020年に約5000億ドルだった売上規模は、2024年には約8000億ドルまで拡大する可能性があると指摘しています。
メタバース不動産における高額取引の事例
・The Sandbox(ザ・サンドボックス)
2021年12月、メタバースに特化したニューヨークの不動産ファンド「Republic Realm(レパブリック・レルム)」は、ゲーム用メタバースザ・サンドボックスの土地を430万ドル(約5億円)で購入しました。
・Decentraland(ディセントラランド)
2021年11月下旬には、カナダの投資会社トークンズ・ドット・コムの子会社が、ディセントラランドの土地を240万ドル(約2億8000万円)で購入しています。
メタバース不動産のメリット・デメリット
メタバース不動産のメリットとしては、次の二つが挙げられます。
・価値上昇の可能性
メタバースは今まさに注目が集まっている分野です。また、まだ参入企業や個人投資家が少ない領域であるため、ブルーオーシャンといえます。
今のうちに土地や建物を所有しておけば、今後希少性が高まり、高値で売却できる可能性があるといえるでしょう。
・自由度の高さ
ユーザーが自由に建物や店舗、街を形成することができる。
また、建物やスペースを舞台にイベントを開催したり物販をおこなったりすることができます。
メタバース不動産には、以下のようなデメリットがあります。
・価値低下のリスク
メタバース不動産は、イーサリアムなどの暗号資産を購入通貨としています。そのため、ビットコインなどの他の暗号資産と同様、暗号資産の価値暴落に伴う担保価値の低下はまぬがれないかもしれません。
また、メタバースは今期待されている分野ではありますが、今後確実にユーザーが流入してくる保証はありません。もしユーザーが集まらず価値が見出されなくなった場合には、価値が大きく低下するリスクがあります。
・法的リスク
メタバース不動産ではNFTを用いりますが、NFTに関する法律は未整備の部分が多い状態です。
そのため、何か問題が起きたとしてもそれが法律で保障されなかったり、今は許されていることが法律で規制されるようになったりする恐れがあります。
メタバースでできる不動産投資
ではあらためて、メタバースにおける不動産投資のあり方にはどのようなものがあるのでしょうか。
・土地を売買貸借する
メタバース上の土地は、現実世界の不動産同様、購入したり、貸借したり、販売したりすることが可能です。
プラットフォームの中心地や、有名人のものの近くの不動産はとても高額で取引されています。
・建物を売買貸借する
メタバース内では、自身が所有する土地に個性的な建物を建築したり、店舗を構えたりすることが可能です。建てた建築物を誰かに販売することもできます。
さらに、自身の所有する建物を、アート展示や音楽フェス、イベントなどのためのスペースとして人に貸し出すことも可能です。
・広告収入を得る
貸し出したスペースの広告主から、広告収入を得ることができます。
実際にメタバース不動産投資をする方法は?
メタバース不動産投資をするには、まずメタバース上の土地を購入する必要があります。
土地を購入するまでの流れは以下の通りです。
①仮想通貨取引所の口座開設をする
メタバース上の土地を購入するためには、仮想通貨イーサリアムが必要です。
そのため、まずはじめに仮想通貨取引所の口座を開設しなければなりません。はじめての方には、Coincheck(コインチェック)がおすすめです。
②日本円をイーサリアムに換金する
仮想通貨取引所上で日本円を入金してイーサリアムに換金します。
③MetaMask(メタマスク)のWalletを準備する
メタマスクのウォレットとは、仮想通貨を保管するお財布のようなものです。
④MetaMaskのWalletにイーサリアムを送る
仮想通貨取引所上からメタマスクにイーサリアムを送金します。
⑤NFTマーケットプレイスで土地を選び購入する
NFTマーケットプレイスとメタマスクとを連携させ、購入したい土地を入札します。
NFTマーケットプレイスとは、NFTの売買プラットフォームのことを指します。
Coincheck(β版)かOpenseaがおすすめです。
実際に土地が買えるプラットフォーム
・The Sandbox(ザ・サンドボックス)
イーサリアムの規格で作られており、166,464区画あります。
・Decentraland(ディセントラランド)
ザ・サンドボックスと同じくイーサリアムで作られており、90,601区画あります。
メタバース不動産まとめ
今回は以下のポイントについて解説しました。
- メタバースにおいても現実世界と同様の不動産投資が可能
- メタバース不動産(土地・建物)も売買・貸借することができる
- メタバース不動産の実際の購入方法
- 土地購入におすすめのメタバース
メタバース不動産への投資は、現状ではハイリスク・ハイリターンかもしれません。
今後の伸びが期待されるメタバースですが、今回取り上げたようなメリット・デメリットを踏まえ、メタバースの将来価値を自ら見極めた上で、賢明な投資判断をしていきたいですね。