
FXで利益を出すには相場の流れを正確に掴むことが最も大切です。
今の相場は上昇トレンドか下降トレンドなのかを正確に判断できれば、トレンドに合わせてポジションを持つ「トレンドフォロー」をするだけで利益を出せます。
相場の流れを掴むには、ファンダメンタルズ分析で長期的な流れを判断し、テクニカル分析で中短期的な流れを判断します。
テクニカル分析の手法はいろいろありますが、相場の流れを掴むにはチャート分析が最適です。
チャート分析がきちんとできるようになれば、トレンドに合わせてポジションを持つことで利益を出せるようになるでしょう。
この記事では、チャート分析で主に中短期的な相場の流れを掴む方法を解説します。
目次
まずはファンダメンタルズ分析で長期的な相場の流れを掴む
チャート分析をすると中短期的な相場の流れを掴めますが、長期的な相場の流れについても知っておくことが必要です。
為替レートは刻々と変化しますが、最終的には長期的なトレンドの方向に向かって推移します。
長期的な相場の流れを掴むには、金融政策や財政政策、経済指標などの情報に基づいてファンダメンタルズ分析を行います。
日銀が政策金利の利下げなどの金融緩和の金融政策を行っている場合は、長期的には円安の方向に相場は動きます。金融引締め政策が行われると円高の方向に相場は動くので、各国の中央銀行の金融政策が長期的な為替レートを決める大きな要因になります。
各国の中央銀行の政策金利は常に把握しておき、特に日銀と米国中央銀行(FRB)の政策金利(FOMC)の動向は注視しておきましょう。
チャート分析で中短期的な相場の流れを掴む
中短期的な相場の流れはテクニカル分析で判断しますが、過去の値動きの推移をグラフ化したチャートを読み解くことがテクニカル分析の基本です。
チャートは大きく分けて「ローソク足チャート」と「ラインチャート」があり、一般的にはローソク足チャートを使用します。
図1:ローソク足チャート
図2:ラインチャート
ラインチャートは相場の流れはわかりますが、相場の強弱を判断しにくいことが欠点です。ローソク足チャートは相場の流れだけでなく、相場の強弱や時間あたりの値動きの推移もわかるので、より精度の高いテクニカル分析ができます。
ローソク足チャートは日本独自のもので、江戸時代に米相場の大神様と称された本間宗久が考案しました。グラフの形状がローソクに似ているので、ローソク足と呼ばれます。
ローソク足チャートは非常に優れたチャートで、相場の流れや強弱が一目瞭然でわかるため、日本だけでなく世界中の個人投資家やヘッジファンドもローソク足チャートを使用しています。
ローソク足チャートの見方
ローソク足チャートは過去の値動きの推移をグラフ化したもので、図1の場合だと上昇トレンドであることが一目瞭然でわかります。
また、ローソク足チャートは相場の強弱もわかり、図3の場合だと前半は勢いよく急上昇しましたが失速して急落し、現在は明確なトレンドが形成されていないことが見て取れます。
図3:ローソク足チャート
ローソク足チャートは時間あたりの値動きの推移もわかります。1本のローソク足の時間軸が1日の日足(ひあし)の場合だと、その日の始値(はじめね)・高値(たかね)・安値(やすね)・終値(おわりね)が判明します。
図3の左から2番目の赤色のローソク足の場合だと、始値は赤色の四角の底辺、高値は赤線の最上端、安値は赤線の最下端、終値は赤色の四角の上辺です。
左から5~7番目の3本の赤色のローソク足は線がないので、その日の始値が安値で終値が高値です。すなわち、1日中上昇を続けていたことがわかります。
始値よりも終値の方が高かった場合はローソクを白色(図3では赤色)で表示し、これは陽線と呼ばれます。陽線が多い場合は上昇トレンドであるケースが多いです。
始値よりも終値の方が安かった場合はローソクを黒色(図3では青色)で表示し、これは陰線と呼ばれます。陰線が多い場合は下降トレンドであるケースが多いです。
ローソク足チャートの時間足
ローソク足チャートの1本のローソクは一定期間の値動きを表しており、時間軸が1日の日足の他に次のような時間足があります。
・1分足
・5分足
・15分足
・30分足
・1時間足
・4時間足
・日足
・週足
・月足
1分足は1本のローソクで1分間の値動きを表し、月足は1本のローソクで1ヶ月間の値動きを表します。
投資方法は「長期投資」「中期投資」「短期投資」に分けられますが、長期投資をする際は主に月足と週足を使用し、中期投資では主に日足、短期投資では4時間・30分足・15分足を使用することが多いです。
月足チャートで長期的な相場の流れを掴む
月足チャートをチェックすると、長期的な相場の流れがわかります。
米ドル/円の月足チャートを見ると、2007年の6月の高値124円台から2011年10月の安値75円32銭まで約4年間にわたって長期下降トレンドが形成されています。これはリーマンショックと東日本大震災による超円高によるものです。
その後、2013年になると「アベノミクス」を掲げた安倍内閣が発足し、日銀が大胆な金融緩和政策を実施したことにより円安ドル高が進行し、2015年6月に125円85銭の円安を記録するまで約2年半にわたって長期上昇トレンドが形成されました。
2019年から2020年にかけては、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックで米ドル/円相場は乱高下を繰り返しましたが、全体的には緩やかな下降トレンドを形成していました。
2021年になると米長期金利の上昇を背景に円安ドル高が進行しており、日足で見ると米ドル/円相場は上昇トレンドを形成しています。
日足チャート・4時間足によるFXのスイングトレード
数日から1週間で決済するスイングトレードでは、主に日足と4時間足を使ってトレードを行います。
長期的な相場の流れが上昇トレンドであればトレンドフォロー(順張り)を意識して、日足チャートと4時間足をチェックします。日足も4時間足も上昇トレンドであれば買いでエントリーして、ロングポジションを持つのが基本です。
ロングポジションを持ったら4時間足を重点的にチェックして、4時間足のトレンドが下降トレンドに変わりそうであれば早めに決済しましょう。
このようにFXのスイングトレードでは、月足と週足で長期的な相場の流れを把握して、日足と4時間足を使ってトレードをするのがコツです。
FXのデイトレードは4時間足・30分足・15分足を使用する
数十分~1日で決済するデイトレード(デイトレ)でも、中長期的な相場の流れを掴んでおきましょう。主に日足と4時間足を使って全体的な相場の流れを掴んでおくと、デイトレでも利益を出しやすくなります。
4時間足は「最強チャート」と呼ばれることもあり、スイングトレードやデイトレードではトレンドの流れを掴みやすいです。
デイトレのスタイルは人によって千差万別なので、使用する時間足はトレードスタイルによって違ってきますが、短期的なトレンドは1時間足よりも30分足の方が掴みやすいです。
1日の間で頻繁に売買を繰り返さないのであれば、4時間足・30分足・15分足の使用をおすすめします。
まとめ
・ファンダメンタルズ分析で長期的な相場の流れを掴む
・月足チャートで長期的な相場の流れを視覚的に確認する
・スイングトレードでは日足と4時間足でトレンドの流れを掴む
・デイトレでは4時間足・30分足・15分足で短期的なトレンドの流れを掴む
相場の流れを掴むにはローソク足チャートが最適であり、スイングトレードでは日足と4時間足、デイトレでは4時間足・30分足・15分足の使用をおすすめします。
ローソク足チャートは非常に奥が深く「酒田五法」も知っておくと、より高度なテクニカル分析ができます。いろいろ勉強してローソク足チャートを極めてください。