ゲーム業界で有名なセガ、そしてパチンコ業界で多数の機種を排出するメーカーのサミー。
セガがサミーに吸収される形でセガサミーという会社名に変わりましたが、現在でも日本国内で大きな結果を出すなど、有名企業としてサービスを提供しています。
今回はセガサミーが海外で運営しているカジノホテルについてと、セガサミーが今後狙っているカジノホテルの方針についても解説します。
セガサミーがパチンコパチスロ以外に活路
日本では北斗の拳シリーズのパチンコパチスロでも知られているのがサミーなのはお馴染みです。
セガはゲーム関連で展開を広げているなど、国内ではセガとサミーが事実上別々に企業サービスを提供する形となっていますが、海外ではカジノホテルの運営という形でセガサミーが関与しています。
それが韓国のカジノホテルであるパラダイスシティです。
韓国では日本よりも早くカジノが合法化されており、カジノホテルがいくつか建設されています。
このカジノホテル経営に名乗りを上げたのがセガサミーです。
どちらかと言えばサミー側の意向が強く反映されている傾向があります。
カジノホテルの運営を行うため、韓国のパラダイスという会社と共同で運営していくことを決めました。同時に保有割合についても双方で検討した結果、セガサミーが45%、パラダイスが55%の保有割合として、パラダイスシティを運営していく形となります。
現在でもパラダイスシティは運営が続けられており、セガサミーの決算などでもこちらの情報は確認できるようにしています。ただ、大半の運営は韓国側のパラダイスが担当する形となっています。
パラダイスシティのカジノ情報
パラダイスシティは韓国のIRとして作られた施設です。場所は仁川国際空港の近くにあります。
内部は総合的なリゾート施設という形で構成されており、スパやアトラクション、レストランなどが充実しています。
また、ゲームコーナーが設けられている時期もあり、PS4のゲームを体験できる時期がありました。
2019年頃にも新しいアトラクションを提供するなど、様々な新しい取り組みを通じて拡大しているリゾート施設となります。
パラダイスシティは日本企業が参入していることもあり、日本で取り入れられている文化が一部採用されています。
なお、カジノについてはランク付けがされており、一般的な利用者が入室できるエリアに加えて、VIP待遇のカジノが用意されています。
パラダイスシティのカジノは、韓国でも最大クラスとされる面積を誇り、その中にカジノテーブルとスロットマシンが配置されています。
面積はそこそこ広くなっていますが、スロットマシンよりもテーブルのほうが目立つ配置となります。
用意されているゲームは定番とされるものが主体で、ブラックジャックやバカラ、ルーレットが用意されています。
中国が近いこともあり、中国で遊ばれているシックボーがゲームに加わっているなど、アジア圏を意識したゲームも準備されています。
韓国で提供されているカジノですので、ベットする金額はウォンとなります。
また、全てのテーブルで最低ベット額が設定されるため、それよりも高い金額をベットしなければなりません。
だいたい5,000ウォンから10,000ウォンが最低ベット額になります。
カジノテーブルのランク
先ほど説明したカジノテーブルのランクですが、宿泊する部屋によっても利用できるかの判断が分かれます。
一般的な客室の場合は、通常のカジノテーブル以外は利用できなくなります。
つまり一般的な利用者が来場するカジノ以外は利用できなくなります。
しかし、より高い金額で宿泊できる部屋に泊まれば、VIP以上のテーブルが用意されます。
VIPテーブルは、VIPユーザーだけが利用できる室内となっており、快適に楽しめるようにしています。人数も少ないため、ディーラーと会話するなどの時間も取れるでしょう。
ただ、パラダイスシティはスロットマシンはあまり配置されていません。
更に高いランクでは、VVIPテーブルが用意されています。
ここはカジノテーブルだけが設置されている場所で、ディーラーが遊びたいゲームに合わせて対応してくれます。
また、VVIPは室内が非常に快適に過ごせるように変更されており、一般のカジノと比較しても非常に遊びやすい空間です。
ランクによってテーブルを分けているのは、他のカジノホテルでは見られない光景と言えます。
パラダイスシティのカジノ内は日本人スタッフが多いので安心
パラダイスシティは日本人スタッフもそれなりに配置されている他、日本語が話せる人も多くいます。
困ったことがあれば日本語で相談できるのはいいところでしょう。
これもセガサミーが経営に関与しているという部分もありますが、日本人により多く来場してもらえるような環境を整備していると言えます。
ただ、パラダイスシティはコロナ前から経営状況に問題があると報告されています。
セガサミー側で決算報告をしていますが、売上面ではかなり上昇しているものの、純利益ではなく純損失を出しているのです。
パラダイスシティが損失を発生させている背景には、設備投資等によって金銭がかさんでいることが挙げられます。
2019年にも新しいアトラクションの設置を決めているなど、色々なところにお金を使っていることが要因の1つなのです。
経営にやや苦労している中、新型コロナウイルスの拡大が韓国でも発生します。
パラダイスシティでは、ホテルを利用した人が新型コロナウイルスに感染していたと判明し、営業停止を余儀なくされる事態もありました。
決算報告についてはまだ判明していませんが、利用者の制限を設けていることを踏まえると、かなり厳しい状況であるのは間違いありません。
また、セガサミー自体もサミー側の利益がかなり厳しい状態となっていることから、経営を維持するためにどこまで予算を出せるかが注目されます。
セガサミーが更に狙っているのは日本のIRか
セガサミーは韓国のパラダイスシティで得られたノウハウを活かし、日本のIRへ参入したいと考えています。
現在狙っているのは横浜のIRではないかと予測されていますが、公式に発表されているわけではないので詳細は不明です。
日本では2018年にIR関連の法律が整備され、現在はどの場所に設置するかが議論されています。
IRが誕生すれば経営するための企業が必要となりますが、韓国でカジノホテルの経営をしているセガサミーであれば、国内企業ということで参入しやすいメリットがあります。
しかし、IRについては汚職が判明している他、IRを作る場所で反対意見が相次ぐなどして議論が進みません。また、新型コロナウイルスが追い打ちをかけるようになり、IRどころではないのが現状です。
セガサミーとしては、ある程度利益を確保できているときにIRへの参入を検討したいところでしたが、本業についても2020年度は苦戦しており厳しい状況が続きます。セガサミー側がIRへ参入するためには、新型コロナウイルスが収束して元の利益を確保できる状況を作る必要があります。
セガサミーはパラダイスシティというIRの運営に携わっていますが、現時点では共同経営という形になっています。セガサミーとしては、ここで得られた教訓を生かして、最終的には日本のIRへ参入して多額の利益を出したい狙いがあります。
ただ、セガサミーの経営状況が今後どうなっていくかわからないこと、そして日本のIRがどのように進んでいくか不透明な状況では、思い描いていたビジョンとは異なる状態なのは間違いないでしょう。